間質性膀胱炎の治療方法は? 間質性膀胱炎の治療は膀胱水圧拡張術を始めとして独特の方法が使われます。ここでは間質性膀胱炎の治療法について解説します。 膀胱水圧拡張術とは?
間質性膀胱炎とは 間質性膀胱炎とは、膀胱に原因不明の炎症が生じて、尿がたまってくると下腹部に痛みを感じたり、排尿回数が異常に増えたりする病気です。通常の膀胱炎は大腸菌などの細菌感染によって引き起こされますが、間質性膀胱炎は細菌感染が原因ではありません。現時点ではっきりとした原因は解明されておりませんが、膀胱粘膜の機能障害、免疫学的な異常反応、尿中の毒性物質などが一因になっていると考えられています。冷えや精神的なストレス、刺激物の摂取などによって症状が強くなったり弱くなったりすることが特徴です。 中高年の女性に多くみられる傾向があり、日本では約0.
間質性膀胱炎は膀胱炎の種類の一つです。 頻尿 や膀胱痛、尿意切迫感などの症状が現れる病気です。間質性膀胱炎の原因はまだはっきりとはしていないため治療が難しいこともあります。 1. 間質性膀胱炎とはどんな病気なのか? 間質性膀胱炎は、治らない頻尿(ひんにょう)、トイレに行った後にもまたすぐ行きたくなる、排尿を我慢するとお腹が痛くなるなどの症状が長く続く病気です。膀胱炎の多くは 細菌 感染を原因とする細菌性膀胱炎です。症状こそ似ているものの間質性膀胱炎は細菌性膀胱炎と原因も治療法も違う病気です。 参照: 難病情報センター 間質とは何のことなのか? 間質は膀胱の壁をつくっている一つの層のことです。膀胱の壁はいくつかの違う層が重なり合って出来ています。尿を溜める内側に接している層を粘膜といいます。粘膜の下の層が間質です。間質の下には筋肉の層があります。筋肉は膀胱を膨らませたり縮ませたりする役割を担っています。間質は粘膜と筋肉の間の層のことです。 2. 間質性膀胱炎と合併しやすい病気は? 間質性膀胱炎と 合併 しやすい病気は 線維筋痛症 や シェーグレン症候群 、 過敏性腸症候群 などが知られています。合併しやすい病気について簡単に説明します。 線維筋痛症(せんいきんつうしょう) 線維筋痛症 とは 慢性的 な全身の痛みとこわばりの症状が現れる病気です。原因は痛みを伝える神経が敏感になることと考えられていますが詳しいことはまだ不明な部分があります。痛み以外の他の症状は頭痛やしびれ、めまいなどです。 シェーグレン症候群 シェーグレン症候群 は涙や唾液の分泌量が減って、 ドライアイ や ドライマウス の症状が出る病気です。 免疫 のしくみが涙や唾液などを出す部分を攻撃することが原因と考えられています。 過敏性腸症候群 過敏性腸症候群 は検査など明らかな異常が認められないにも関わらず、お腹の不快感・ 便秘 ・下痢などの症状が長く続く病気です。腹痛などの症状は排便により良くなりますが、ストレスなどで悪化することが知られています。 3. 間質性膀胱炎の原因は? 間質性膀胱炎の原因は明らかではありません。膀胱粘膜の機能障害や免疫の異常、尿中の物質による刺激などが推測されています。 4. 間質性膀胱炎の症状:血尿・痛み・尿意切迫感など 間質性膀胱炎の人の典型的な症状として、尿が溜まると膀胱の辺り(下腹部)に痛みを感じます。痛みが長引いている人の場合は痛む前にトレイに行くので1日の排尿回数が20回を超える人も珍しくはありません。 以下の様な症状がある人は間質性膀胱炎かもしれません。 尿が溜まると下腹部が痛くなる 女性で性交時に痛みがある 排尿してもまたすぐに尿意をもよおす 夜に何度もトイレにいく いつも排尿のことが頭から離れない これらの症状以外でも細菌性膀胱炎と診断されて治療しているにも関わらず症状が良くならない人や頻尿の薬を飲んでも効果がない人は間質性膀胱炎の可能性があります。 5.
患者数 約2, 000人 2. 発病の機構 不明(膀胱粘膜の透過性の亢進が示唆されている。) 3. 効果的な治療方法 未確立(対症的な治療が主体となる。) 4. 長期の療養 必要(一時的に寛解することもあるが、再発の危険がある。) 5. 診断基準 あり(間質性膀胱炎診療ガイドラインによる。) 6.
間質性膀胱炎になったときに気をつけるべき生活:食事、水分摂取など 間質性膀胱炎の症状は食事などの日常生活による影響があるとされています。食事によって症状の変化が現れる人がいます。 参照:排尿プラクティス. 2013;21:43-50、 Interstitail cystitis association(ICA) 、 ICAからの食事に関する意見 間質性膀胱炎では食事に気をつけるのはなぜ? 間質性膀胱炎の人の症状は食事により悪化したり改善したりするという意見があります。ICA(間質性膀胱炎学会)によると以下の様な食品が間質性膀胱炎の症状を悪化させる可能性があります。 カフェイン アルコール飲料 炭酸飲料 トマト 唐辛子を含む食事 人工甘味量 パイナップル/パイナップルジュース ホースラディッシュ 酢 ニシンの酢漬け ICAでは特にコーヒーや紅茶、炭酸飲料、アルコール、パイナップルジュース、人工甘味料などが間質性膀胱炎の症状を悪化させる食品であるとしています。 これらの食品を完全にやめれば症状が良くなるわけではありません。食事と症状の関係にはかなり個人差があることも知られています。 自分の症状と関係のある食品をみつけるには排尿状態と食事の内容を記録することから始めてみてください。記録した結果、症状と関連する食品が明らかになればその食品を避けることで症状が改善するかもしれません。 食事療法については自分でもできそうと思うかもしれませんが、開始するときには医師に相談して栄養士などの助言を得てからの方が望ましいです。適切な助言のもとあなたにあった食事を探してみてください。 9. 間質性膀胱炎は自然治癒するのか? 間質性膀胱炎が自然 治癒 するかは不明です。 間質性膀胱炎の人の中には膀胱訓練などの日常生活の中での工夫で症状が改善する人がいます。その一方で症状が重く何度も水圧拡張術が必要になったり手術で膀胱を摘出することを検討する人も中にはいます。 膀胱訓練などで症状が改善し日常生活に困らないような状態になれば自然治癒と言えるかもしれませんが全員には当てはまりません。間質性膀胱炎と診断されたら定期的に医療機関を受診してそのときに適切な検査や治療を受けることが大事です。 10. 間質性膀胱炎は何科を受診したらよいか?専門医の診察が必要か? 間質性膀胱炎は泌尿器科で治療します。 泌尿器科医の中でも間質性膀胱炎の診療を専門とする医師は多くはありません。間質性膀胱炎を専門とする医師については、 間質性膀胱炎研究会のウェブサイト にある「診療に応じる医師」のリストは受診する医療機関を選ぶ上で参考になると思います。 また泌尿器科は医療機関によっては検査が十分にできない施設もあるので事前に膀胱鏡などの検査ができるかも確認しておいた方がいいと思います。せっかく勇気をもって受診したにも関わらず診察や検査が受けられないと治療を開始する時期も遅くなり時間がもったいないと思います。医療機関の診察・検査の状況は医療機関が作成したウェブサイトなどで確認するといいでしょう。